腕時計を購入するなら実用性を考えて防水性能のあるものを選びたいけれど、どのような基準で選べばよいのかわからないと困っている人はいませんか?
この記事では防水時計の構造から種類まで詳しく解説します。
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目次
- ■防水時計の構造とは?
- ■防水時計の規格について
- ■防水時計の種類について
- ■防水時計を長く使用するために気を付けたいこととは?
- パッキンを定期的に交換すること
- 浸水したらすぐに修理を依頼すること
- 濡れた手でリューズやボタンを操作しないこと
- 海で使用した後は真水で洗うこと
- ダイバーズウォッチの修理や電池交換はメーカー指定の修理窓口に依頼すること
- ■「和心」の防水性能に対する考え方とは?
- ■まとめ
■防水時計の構造とは?
防水時計にはガラスの下にガラスパッキン、裏蓋の下に裏蓋パッキン、またリューズパッキンやボタンパッキンなどが部品として用いられ、外部からの水の侵入を防ぐ気密性の高い構造となっています。
気密性が高まることで塵や埃が侵入を防止し、温度変化、湿気、砂、油に対する耐性を持ち、腕時計内の部品を良好な状態に保つことができるというメリットがあります。
しかしその反面、防水時計はこれらの構造や防水用の部品を使用する分腕時計の重量が増加し、見た目の美しさに影響を及ぼすことも覚えておきましょう。
参考:織田一朗「時計の科学」
■防水時計の規格について
防水時計についての規格は、日本工業規格(JIS)と国際標準化機構(ISO)でそれぞれ防水ウォッチ、ダイバーズウォッチの規格として定められているため、表にまとめてみました。
JIS規格番号 |
JIS規格名称 |
ISO規格番号 |
ISO規格名称 |
JIS B 7021 |
一般用防水携帯時計の種類及び防水性能 |
ISO 22810 |
防水ウオッチ |
JIS B 7023 |
潜水用携帯時計-種類及び性能 |
ISO 6425 |
ダイバーズウオッチ |
日本工業規格(JIS)では、腕時計における日常生活用の防水表示はbar(気圧)表示で、潜水用の場合はm(メートル)表示をすることになっていますが、どの防水時計も取扱い方法や注意事項については、取扱説明書を十分に確認して使用することが大切です。
参考:一般社団法人日本時計協会「JISとISOの時計に関する規格」
参考:一般社団法人日本時計協会「防水時計の種類と取扱い上の注意点を教えて」
■防水時計の種類について
防水時計の種類にはどのようなものがあるのでしょうか。
表にまとめてみました。
JIS規格 |
ー |
JIS1種防水時計 |
JIS2種防水時計 |
JIS1種潜水時計 |
JIS2種潜水時計 |
名称 |
非防水時計 |
日常生活用防水 |
日常生活用 強化防水 |
潜水用防水 |
飽和潜水用 防水 |
仕様 |
ー |
2~3気圧防水 |
5気圧防水 10気圧防水 20気圧防水 |
100m~200m防水 |
200m~1000m防水 |
時計の裏蓋や文字盤への表示 |
なし |
WATER RESISTANT |
WATER RESISTANT **BAR |
diver's watch ***m diver's ***m |
diver's watch ***m for saturation diving |
用途と取扱注意事項 |
裏蓋WATER RESISTの表示がないものは直接、水に触れないよう注意して使用すること |
・日常生活での汗や洗顔のときの水滴、雨などに耐えられるが水仕事、水上スポーツ、素潜り(スキンダイビング)、潜水には使用しないこと ・水圧の変化が激しい条件では使用しないこと |
(5気圧防水) ・水に触れる機会の多い水仕事(漁業・農業・洗車・食堂など)や水上スポーツ(水泳・ヨット・つりなど)をする人も使用可能 ・素潜り(スキンダイビング)および飽和潜水用や空気潜水用に使用しないこと ・5bar以上の防水時計でも水圧の激しいシャワーや水道水が直接時計に当たらないよう注意すること (10・20気圧防水) ・水上スポーツ(水泳・ヨット・つりなど)及び素潜り(スキンダイビング)をする人も使用可能 ・飽和潜水用や空気潜水用に使用しないこと |
・表示されている水深(例:100m)までの耐圧性と長時間の水中使用に耐える防水性を備えている ・潜水時間、減圧時間を測定するのに必要な回転ベゼルなどの装置つき ・ボンベに圧縮空気の呼吸気体を入れて浅海で潜水する時(スキューバダイビングなど)に使用する時計 ・飽和潜水用に使用できない |
・表示されている水深(例:300m)までの潜水に耐える防水性を備えている ・潜水時間や減圧時間を測定するのに必要な回転ベゼルなどの装置つき ・ヘリウムと酸素の混合ガスの呼吸気体を利用し深海で潜水する時(飽和潜水)に使用する時計 |
なお、日常生活用防水においては耐えられる最大圧力を表示していますが、潜水用防水では表示した水深における水中で動く際の動圧で表示していることを覚えておきましょう。
防水時計を使用する際は、この表も参考にして防水性能や機能を必ず確認し、取扱説明書に従って正しく使用することが大切です。
参考:一般社団法人日本時計協会「防水時計の種類と取扱い上の注意点を教えて」
参考:織田一朗「時計の科学」
■防水時計を長く使用するために気を付けたいこととは?
防水時計を長く使用するためには、どのようなことに気を付ければよいのでしょうか。
5つご紹介します。
パッキンを定期的に交換すること
防水時計に使用されているガラスパッキン、裏蓋パッキン、リューズパッキンやボタンパッキンは、長時間使用することにより身体から出る汗や水分の影響を受けます。
その結果弾力性が低下したり、もろくなり切れやすくなったりするため、腕時計の電池交換時や定期点検時に交換をするのが望ましいでしょう。
浸水したらすぐに修理を依頼すること
時計の内部に万が一浸水した場合は、そのまま使用したり自分で分解したりせず、ただちに修理を依頼しましょう。
これは時計内部に侵入した水が、中の機械や精密な電子部品、文字板などを破損する原因になるためです。
濡れた手でリューズやボタンを操作しないこと
手に水分が付着したままリューズやボタンの操作をすると、時計内部に浸水し防水不良の原因になる場合があるため注意しましょう。
海で使用した後は真水で洗うこと
防水時計をつけて海で泳いだ後は時計を真水で良く洗い、洗った後に良く拭いてさびが発生しないようにすることが大切です。
ダイバーズウォッチの修理や電池交換はメーカー指定の修理窓口に依頼すること
防水時計でなくてもそもそも腕時計は精密機械のため、壊れた際に自分で分解して対応するといったことはおすすめできません。
特にダイバーズウォッチは防水性などについて、専用の特殊試験機で必ず検査する必要があるため、修理や電池交換については、メーカー指定の修理窓口に依頼するのが望ましいでしょう。
参考:一般社団法人日本時計協会「防水時計の手入れと点検について教えて」
■「和心」の防水性能に対する考え方とは?
1964年創業の腕時計メーカー、株式会社和工がお届けする日本製にこだわった腕時計ブランドが「和心」です。
株式会社和工には、時計の修理に関する名称独占資格である1級時計技能修理士が1名、2級時計技能修理士が1名在籍しており、防水時計についても正確な知識を持ったスタッフが対応できるため、保証内容と取扱説明書を自信を持ってホームページに掲載しています。
また取扱説明書には「防水性について」という項目を設け、表示の仕方や防水性能の内容、海水に入った時のお手入れ方法まで併せて記載しているのです。
和心では気に入った腕時計を長く使用していただくためにも、望ましい使用方法をお客様にお伝えしていくのは大切なことだと考えているのです。
ぜひ一度その腕で、和心の想いを感じてみてください。
和心 WACOCORO (wacocoro-watch.com)
■まとめ
防水時計とは外部からの水の侵入を防ぐ気密性の高い構造を持つ時計で、JISとISOで規格や用途が定められているため、取扱説明書の内容に従って使用するのが望ましいとわかりました。
ぜひこの記事も参考にして、防水時計を上手に生活の中に取り入れてみてください。