日時計とは?種類からその歴史まで詳しく解説

日時計とは?種類からその歴史まで詳しく解説

日時計は小学校の敷地内に設置してあるものと何となく思っているけれど、の動きで時間がわかるという以外、あまり詳しいことを知らないという人も多いのではないでしょうか。

この記事では日時計種類から歴史まで詳しく解説します。

日時計とは?

日時計とは、太陽の日周運動を利用して設置した場所の時刻を知ることのできる時計の一種です。

具体的には太陽は24時間で全円周360度の回転を繰り返すため、1時間当りの時角の変化は15度であることと、光をさえぎると反対側に影ができることの2つの原理を使用した比較的簡単な仕組みではありますが、人類が始めて作った時計はこの日時計だと言われています。

日時計を正確に動作させるためには、指針を地軸に平行に設置する必要があるのです。

時計の針が右回りになったのは、日時計が北半球で発達したからだと考えられています。

日時計を使用するメリット

日時計はエジプト人によって今から6000年ほど前に発明されましたが、日時計を使うメリットにはどのようなことがあるのでしょうか。

2つご紹介します。

設置後の手間がかからない

日時計は天文学の知識があればどこにでも設置したり作ったりできるだけではなく、設置後のメンテナンスなども必要のない時計です。

このことから日時計は世界中に広まり、天文学や哲学の知識が発達していた中近東、ギリシャ、ローマなどでさらに発展したのです。

精度が高い

一見精度が高そうには見えない日時計ですが、次のような調整を行うことで表示する時間の誤差を1分以内に収めることが可能です。

  1. 指針を正しく天の北極(南半球では天の南極)に向ける
  2. 経度差を1度につき4分の補正値で補正する
  3. 天球を一定の速度で動くと考えた平均太陽と視太陽(実際の太陽)の動きの差である均時差を補正する

ただし日時計は、設置場所の時刻を季節性を前提に昼と夜をそれぞれ6等分する不定時法で表示するため、現在の季節に関係なく1日を24等分する定時法を採用している国の標準時との時間差は埋められないことに注意が必要だと言えるでしょう。

日時計を使用するデメリット

日時計を使用するデメリットは、日光が十分には射さない場所や時間ではそもそも使用できないということです。

しかし、この日時計のデメリットから次に発明されたのが、同じ穴から出る水の量は時間当たりで一定であることを利用した水時計です。

見方を変えれば、日時計のデメリットが時計を進化させたとも言えるでしょう。

参考:セイコーミュージアム銀座「日時計の誕生」

参考:織田一朗「時計の科学」

日時計種類

日時計にはその形状によってとてもたくさんの種類に分類できるため、海外と日本における日時計種類をそれぞれご紹介します。

海外の日時計

海外の日時計の種類は次の通りです。


日時計の種類

特徴

見学

赤道型(コマ型)日時計

・棒の先端は北極星を指し、文字盤は赤道に平行に設置

・十二支の時刻目盛は表裏両面に刻まれている

・太陽の位置により、春分から秋分は表面に、秋分から春分は裏面にできる影で時刻を表示する

・セイコーミュージアム銀座にて1700年代清朝の赤道型(コマ型)日時計を見学可能

垂直式日時計

・建築物の壁に取り付ける場合もある

・文字盤は三角関数を使用して計算するため均等にならない

・指針は壁面からその地点の緯度の余角90°ーΦだけおこす

・セイコーミュージアム銀座にて1680年イギリス制作の垂直式日時計を見学可能

日時計

・庭などに設置する最も一般的な日時計

・文字盤は三角関数を使用して計算するため均等にならない

・太陽が出ていれば1台で日の出から日没まで使用できる

携帯日時計

・野外天体観測や宗教行事のために開発された

・ディプティクという日時計の中には方位磁針や緯度計測器の役割を果たす物もあった

・小型の携帯日時計は指輪やネックレスにつけられた装飾だった

柱型日時計

・水平または椀状の文字盤に、垂直な指針を立っていて、指針の影の先端が時刻を示す

室内柱型日時計

・アイザック・ニュートンが開発した

・鏡が太陽の光を反射して壁に光の点ができるのを毎日記録して1年がかりで完成させた

かげぼうし日時計

・柱型日時計の一種で指針が固定されていない

半球面型日時計

・13本の季節線(24節気)とそれに直交する球を96等分した時間線が描かれている

・セイコーミュージアム銀座にて李朝時代初期(1418年~1450年)の半球面型日時計を見学可能


海外の日時計は、生活様式の変化に応じてさまざまな形に進化していったのが特徴的と言えるでしょう。

日本の日時計

そもそも日本で最初に時計による時刻の知らせを行う際に使われたのは漏刻(水時計)であったことからも、海外ほど日本では日時計の種類が豊富であるとは言えません。


日時計についての歴史的な記録も、735年に吉備真備が唐から日時計を持ち帰ったとする記録が残っている程度です。


日本における日時計種類は次の通りです。


日時計の種類

特徴

見学

垂直式日時計

・海外のものと同様建築物の壁に取り付ける場合もある日時計

・大阪造幣局の前の道路に桜宮橋のたもとより移設されたため見学可能

日時計

・小学校などでよく見られる

携帯式日時計

・江戸時代に紙製の簡易な紙日時計が旅行者や船乗りのために普及する

・季節に合わせた札を垂直に立てて太陽に向け影の長さで時刻を読み取る

・紙製ではない携帯型の日時計も多数あり

国立科学博物館日本館1F南翼で見学可能

かげぼうし日時計

・海外のものと同様柱型日時計の一種で指針が固定されていない

・愛知県瀬戸市の瀬戸市民公園で見学可能


日本の日時計は海外と比較すると種類は少ないものの、江戸時代に紙日時計が作られたり、現在では庭日時計が学校によく設置されていたりと、独自の進化をしているのが特徴的だと言えるでしょう。

時計を携帯したい気持ちを大切にする腕時計ブランド「和心」

日時計のように小型化するのが一見難しそうな時計でも、人類は携帯できるように改良して持ち歩きするのを可能にしています。


このことから海外でも日本でも、時計を携帯して自由に時刻を確認したいというニーズは時計が生まれて以来、ずっとあったものだと言えるでしょう。


1964年創業の腕時計メーカー、株式会社和工がお届けする日本製にこだわった腕時計ブランドが「和心」です。


和心は海外の携帯日時計のように装飾品としてのデザインを大切にするため、「畳」「宇陀印傳」「江戸組紐」「ピアノレザー」「博多織」「東京豚革」の6種類あるバンドは全て日本製の素材を採用しています。


また日本の日時計のように独自に進化した日本ならではの時計技術も大切にしており、時計の修理に関する名称独占資格である1級時計技能修理士が1名、2級時計技能修理士が1名在籍しているため、自信を持って保証内容と取扱説明書をホームページに掲載しています。


これはお客様に少しでも楽しく、また安全に時計を携帯してほしいという気持ちからこのようなサービスを行っているのです。


ずっと変わらない人類の時計への想いを、その腕で感じてみませんか。

和心 WACOCORO (wacocoro-watch.com)

まとめ

日時計とは、太陽の日周運動を利用して設置した場所の時刻を知ることのできる時計の一種ですが、海外と日本では異なる進化を経て現在に至ることがわかりました。


時刻を正確に知りたいという人類の思いの強さを現在に伝える日時計を、これからも大切にしていきましょう。