腕時計で品質が良く安いのは日本の腕時計メーカーの製品だと聞くけれど、海外製品と国産製品の違いやどんなメーカーがあるのかはいまいちよくわからないとお困りの方はいませんか?
この記事では日本の腕時計と海外の腕時計の違いから、日本の三大時計メーカーの歴史まで詳しく解説します。
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目次
- ■腕時計における国産製品と海外製品の違い
- 腕時計における国産製品の特徴
- 腕時計における海外製品の特徴
- ■日本の有名時計メーカーとは?
- CITIZEN
- ORIENT
- CASIO
- ■日本の心を込めた腕時計を作り続ける「和心」
- ■まとめ
■腕時計における国産製品と海外製品の違い
日本の腕時計メーカーの特徴について知る前に、国産製品と海外製品の違いについて押さえておきましょう。
それぞれの特徴をご紹介します。
腕時計における国産製品の特徴
日本においては一貫して品質が良く壊れにくい時計を安い価格で人々に提供してきた歴史があるため、国産製品の腕時計においても各メーカーが高度な技術力と開発力を活かして、それぞれが高機能で安い製品を作り続けています。
海外市場においても「Made in Japan」の信頼性は高く、丈夫でシンプルなデザインが多いのもユーザーに長く愛用される理由の1つとなっているのです。
腕時計における海外製品の特徴
海外の腕時計メーカーは、日本の腕時計メーカーが主に明治時代や大正時代(1800年代半ば~1900年代初期)に創業しているのと比較すると、歴史が古いのが特徴的です。
また海外製品の中でも人気が高いのはスイスの腕時計ですが、スイスでは1541年に神学者で宗教改革を主導したジャン・カルヴァンによって装飾品の着用が禁じられ、多くの宝飾職人たちが仕事にあぶれたことから、宝飾品としての性格を持つ時計の生産が始まりました。
このことから海外製品の腕時計は機能だけではなく、宝飾品としての価値が高いのが特徴的だと言えるでしょう。
海外の時計メーカーについてもっと詳しく知りたい人は、一般社団法人日本時計輸入協会のホームページに一覧表と日本での取扱店が表示されているため確認することをおすすめします。
■日本の有名時計メーカーとは?
国産の腕時計メーカーにおいて良く知られているのがCITIZEN、ORIENT、CASIOの3つのメーカーです。
それぞれの歴史から腕時計の特徴まで詳しくご紹介します。
CITIZEN
CITIZENは「市民に愛され市民に貢献する」を企業理念に、従来のものづくりにとどまらない新しい価値作りに取り組んでいます。
シチズン時計の前身、尚工舎時計研究所が産声を上げたのは1918年のことです。
そして、1931年に中島与三郎社長が就任するのと同時にシチズン時計株式会社が新しく創立されますが、翌年の1932年には早くも腕時計第一号を完成させています。
その後1966年には世界初の電子腕時計「エックスエイト」、1976年には世界初のアナログ式太陽電池充電式腕時計「クリストロンソーラーセル」、1993年には世界初の多局受信型電波時計を開発し、次々と新しい技術で腕時計を進化させていったのです。
また電波時計を小型化し見た目の美しさにもこだわり続けているため、国産腕時計に機能と洗練されたデザインを求めている人におすすめのメーカーと言えるでしょう。
ORIENT
ORIENTは2017年4月より親会社エプソンに事業統合されたため、エプソンの腕時計ブランドとして位置付けられるようになりました。
ユニークなデザインと技術で他社との差別化を図ってきたのが特徴的と言えるでしょう。
ORIENTブランドの前身である多摩計器株式会社は1950年に設立され、翌年に商号をオリエント時計株式会社へと変更しています。
この時、設立したその年にはもう量産型腕時計の「ニューオリエント」を世に送り出すという早業も成し遂げています。
その後も1964年に海外トレンドのダイバーズウォッチを意識して作られた「オリンピアカレンダーダイバー」、1970年に文字盤をカラー化した「オリエントジャガーフォーカス」、2016年にオリエントの代名詞とも言えるスケルトンモデルの最新モデルとして開発された「オリエントスタースケルトン」など、名品と呼ばれる数々の国産腕時計を作り上げてきました。
コレクターズアイテムとしての価値を腕時計に求める人にぴったりなメーカーと言えるでしょう。
CASIO
CASIOは時計以外にも電子楽器、電子辞書、電卓など幅広い電子製品を製造・販売しているメーカーです。
CASIOの前身である樫尾製作所は1946年4月、東京都三鷹市で創業しました。
腕時計の生産は1970年代より本格的に取り組み始めましたが、CASIOは1983年4月に耐衝撃腕時計「G-SHOCK DW-5000C」を発売し、それまで慎重な取り扱いを必要とする精密機械だった腕時計に新たな価値を提供したのです。
G-SHOCKはウレタンベゼルというゴム素材で時計本体であるケースを包み込み、時計内部のモジュールや重要なパーツは緩衝材で保護するなど、外部からの衝撃を5段階で吸収しています。
またケース内のモジュールを点で支えることによる中空構造や20気圧防水も採用しているのです。
G-SHOCK DW-5000Cはこのような技術を基にさまざまな悪条件下でも正確に作動する耐衝撃・対振動を実現し、2017年8月に「G-SHOCKシリーズ」は世界累計出荷数1億個を突破しました。
CASIOは安価で丈夫な腕時計がほしい人にぴったりなメーカーと言えるでしょう。
■日本の心を込めた腕時計を作り続ける「和心」
和心は、1964年創業の腕時計メーカー、株式会社和工がお届けする国産にこだわった腕時計ブランドです。
国産大手腕時計メーカーに提供してきた技術を活かし、和心に使用するケースの加工に関する全ての工程は埼玉県にある自社工場で行っています。
そして和心の腕時計に使用しているバンドは、「畳」「宇陀印傳」「江戸組紐」「ピアノレザー」「博多織」「東京豚革」の6種類ですが、それぞれの素材を作ったメーカーの概要を表にまとめてみました。
素材名 |
メーカーの概要 |
畳 |
・埼玉県戸田市内の畳店の縁を使用 |
宇陀印傳 |
・1884年創業の鹿革メーカー藤岡勇吉本店製を使用 |
江戸組紐 |
・1963年創業の和装小物メーカー株式会社龍工房製を使用 |
ピアノレザー |
・1937年創業の革メーカー栃木レザー株式会社製を使用 |
博多織 |
・1896年創業の博多織メーカー森博多織株式会社製を使用 |
東京豚革 |
・東京都で加工された豚革のみを使用 |
これらのバンドは国産素材にこだわるだけにとどまらず、風合いが崩れていないか、使い心地は良いかなどのチェック項目を満たすまで何度も試作を繰り返して商品化に至っています。
和心では日本の誇る高度な時計製造技術、また日本における伝統的な職人技を融合させるという意味の「和」、その心を大切にしたいという想いから「心」の2文字をブランド名としました。
日本の時計技術だけではなく、伝統文化もおしゃれに取り入れたいという人におすすめです。
和心 WACOCORO (wacocoro-watch.com)
■まとめ
日本において国産腕時計を作るメーカーの特徴は、高度な技術力と開発力を活かして高機能で安い製品を作っていることだとわかりました。
腕時計の海外製品は宝飾品としての役割も大きいため、美しい見た目の腕時計が多いのと比較すると、国産腕時計にはあまり奇抜なデザインは見られません。
しかし丈夫でシンプルなデザインが多いため、一度手にした人は長く愛用し続けてくれる場合が多いのです。
ぜひ国産腕時計とそのメーカーの良さを知り、安くて高機能な自分だけの1本を見つけてみてください。