腕時計を購入してからある程度の時間が経過したのでオーバーホールを考えているけれど、どのくらいの期間がかかるのかや目安となる料金がよくわからないと悩んでいる人はいませんか?
この記事では腕時計におけるオーバーホールの概要からかかる期間、料金まで詳しく解説します。
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目次
- ■腕時計のオーバーホールとは?
- ■腕時計のオーバーホールをするメリット
- ■腕時計のオーバーホールをするデメリット
- ■腕時計をオーバーホールする手順
- ■腕時計のオーバーホールにかかる期間や費用について
- ■腕時計をオーバーホールする際の注意点
- ■有資格者が腕時計のオーバーホールをするメーカー「和心」
- ■まとめ
■腕時計のオーバーホールとは?
腕時計のオーバーホールとは、腕時計を正常に動作させるため全ての部品を分解、洗浄し、内部にある部品の点検、破損した部品の修理や交換をした後組み立て直すまでの一連の工程のことです。
腕時計を快適に使い続けるためには、オーバーホールを3~5年に一度は行うのが望ましいとされます。
またオーバーホールと修理はよく混同されますが、修理は腕時計に何らかのトラブルが起こった際に不具合・故障の原因となるパーツの修復・交換をすることであるため、オーバーホールのように部品1つ1つを点検するといった作業は発生しません。
また腕時計はオーバーホールをすることでベストなコンディションを維持できるため、寿命を伸ばすことにもつながります。
■腕時計のオーバーホールをするメリット
腕時計のオーバーホールをするメリットは次の3つです。
- 全ての部品を分解して点検するため外側から見ただけではわからない不具合を発見して調整できる
- 腕時計の寿命が伸びる
- 業者に依頼するため手間をかけずに行うことができる
日々のメンテナンスだけではできないことを、プロの手を借りてすることができるのがオーバーホールの大きなメリットだと言えるでしょう。
■腕時計のオーバーホールをするデメリット
腕時計のオーバーホールをするデメリットは、時間と費用がかかることです。
腕時計のオーバーホールは分解して調整を行った後、また組み立てる所までが一連の作業となるため時間がかかり、費用もそれなりに必要となります。
しかし費用や時間をかけた分、腕時計が正しく動作し長く使用できることにもつながるということを覚えておきましょう。
■腕時計をオーバーホールする手順

腕時計をオーバーホールするための基本的な手順をご紹介します。
①作動性と外観のチェック
腕時計を分解する前に外観から状態を調べる段階です。
腕時計の動作や防水機能、ガラスやバックル、ストラップの傷の程度などを確かめます。
②ムーブメントの分解
専用の工具で時計の裏蓋を開け、自動巻き機構を取り出すと同時にムーブメントもケースから取り出して分解する段階です。
この段階で不具合を起こしている場所を特定し、交換や修理をした方が良い部品はどれかを探します。
③部品の修理・交換
不具合を起こしている場所を修理し、劣化している部品は交換します。
④部品の洗浄
分解した部品を専用の機材や薬品を使い、さまざまな洗浄方法で汚れを落とす段階です。
潤滑油や摩耗粉、汚れが落ちるためこの段階で新品に近い状態にまで戻すことができるでしょう。
⑤研磨・組み立て・注油
ケースやブレスなどのパーツは研磨し、洗浄が終わった部品は注油しながら組み立てていく段階です。
注油しなければならない場所や、オイルの種類、量はメーカーが定めている基準があるためそれに従って行います。
⑥ケーシング・性能チェック
外していた文字盤をムーブメントに取り付けたあと、針をセットして研磨したケースに収める段階です。
精度測定器でムーブメントを細かく計測し調整した後、時計の外観や防水性などをチェックし、合否判定を行います。
⑦動作テスト
針回し、日付変更、運針具合、ゼンマイの巻き上げといった動作の最終検査を行う段階です。
問題がなければオーバーホールは終了です。
■腕時計のオーバーホールにかかる期間や費用について
最初に腕時計のオーバーホールにかかる期間は、クォーツ時計で3~4週間、機械式時計で1ヵ月、クロノグラフやアンティーク時計などで1ヵ月半~2ヵ月程度が目安とされています。
また海外メーカーの腕時計などは部品を取り寄せする場合もあるため、期間を長めに見ておく方が良いでしょう。
次にオーバーホールにかかる費用ですが、こちらは依頼先によって異なります。
腕時計のオーバーホールを依頼できる先はメーカーと修理店なのですが、それぞれの違いを表にまとめてみました。
メーカー |
修理店 |
|
期間 |
・1か月~2ヵ月程度かかる |
・2週間~1ヵ月程度 |
費用 |
・保証期間内であれば修理費用は無料でオーバーホールにかかる費用のみ請求される |
・メーカーへの依頼費用に対しおおむね20%~40%ほど安い |
部品 |
・純正品を使用する |
・汎用品で代用する場合がある |
オーバーホール後の保証 |
・1年~2年程度のメーカー保証がつく |
・修理店独自の保証がつくが期間は数か月程度 |
技術・対応 |
・技術力の高い資格を持つスタッフなどオーバーホールを行い対応も良い |
・修理店によって差が大きい |
メーカーにオーバーホールを依頼する場合は費用は高くつきますが品質は保証され、修理店に依頼する場合は早く仕上がり費用も安いのですが、品質は店によって差があるというのが実情だと言えるでしょう。
腕時計のオーバーホールを修理店に依頼する際、気を付けてチェックしたいことは次の5つです。
- 時計技能修理士の資格を持ったスタッフが在籍しているか
- 依頼するブランドの腕時計のオーバーホール実績があるか
- オーバーホールにかかる期間が短すぎないか
- オーバーホール後の保証期間はどのくらいか
- 費用が安すぎないか
せっかくオーバーホールを依頼したのにいまいち腕時計の調子が良くないといった結果を招かないようにするためにも、修理店への依頼は慎重に行うことが大切です。
■腕時計をオーバーホールする際の注意点
腕時計をオーバーホールする際の注意点は次の通りです。
- 動作不良がある場合は原因や状態を依頼先に伝える
- 代わりの腕時計を準備しておく
- 費用の見積は複数の候補先に依頼する
- オーバーホールのタイミングがわからない場合それも含めて相談する
- 価格だけで依頼先を決めない
大切に使ってきた腕時計を納得のいく期間や費用でオーバーホールしてもらうためにも、依頼先の選定や下準備は入念に行うことをおすすめします。
■有資格者が腕時計のオーバーホールをするメーカー「和心」
1964年創業の腕時計メーカー、株式会社和工がお届けする日本製にこだわった腕時計ブランドが「和心」です。
株式会社和工には、時計の修理に関する名称独占資格である1級時計技能修理士が1名、2級時計技能修理士が1名在籍しているため、自信を持って保証内容と取扱説明書をホームページに掲載しています。
またお客様の大切な腕時計の故障をなるべく予防するため、保証書には故障につながる動作とはどのようなものかも併せて明記しているのです。
腕時計のご購入から修理、メンテナンスまでワンストップで行ってほしい方は、ぜひ和心の腕時計をお試しください。
和心 WACOCORO (wacocoro-watch.com)
■まとめ
腕時計のオーバーホールとは、全ての部品を分解、洗浄し、内部にある部品の点検、破損した部品の修理や交換をした後組み立て直すまでの一連の工程のことですが、腕時計を正常に動作させるためにも定期的に行うのが望ましいとわかりました。
腕時計を長く愛用するためにも、この記事を参考にしてぜひオーバーホールについての知識を深めてみてください。