腕時計に必要なメンテナンスとは?日々のお手入れ方法からオーバーホールまで詳しく解説

腕時計に必要なメンテナンスとは?日々のお手入れ方法からオーバーホールまで詳しく解説

腕時計は精密機械なので使用するならメンテナンスが必要なことは理解しているけれど、具体的にどのようなお手入れが適切なのかよくわからないとお悩みの人はいませんか?

この記事では腕時計に必要なメンテナンスからオーバーホールとは何かまで詳しく解説します。

腕時計メンテナンスやオーバーホールが必要な理由とは?

腕時計は、そもそもどうしてメンテナンスやオーバーホールを行わなければならないのでしょうか。

その理由は、腕時計は日々肌にバンドで密着させて使用するため、汗や汚れが付着しやすいためです。

汗や汚れは臭いや錆、カビや変色の原因となるため、腕時計の動きに支障を及ぼしたり、バンドが切れやすくなったりしてしまいます。

汗や汚れがひどくなってくると、衣服の袖口を傷めてしまったり、腕時計かぶれを引き起こしたりする可能性も出てくるでしょう。

このような事態を避けるためにも、腕時計は日頃から丁寧なメンテナンスや、定期的なオーバーホールを心がけることが大切なのです。

腕時計メンテナンス方法について

腕時計メンテナンス方法ですが、毎日行いたい基本のメンテナンスからもう少し手をかけたパーツ別のお手入れ方法まで解説します。

基本の腕時計メンテナンス

基本のメンテナンスに使用する道具は次の4つです。

  • 全体を拭くためのクロス
  • 細部の汚れを取り除くためのつまようじ
  • 汚れを風の力で吹き飛ばすブロアー
  • こびりついた汚れを落とす歯ブラシ

メンテナンス手順をご紹介します。

  1. クロスを親指の腹で押すようにしてケースを拭く
  2. 傷をつけないよう注意しながらガラス面を拭く
  3. 裏蓋の汚れをクロスで拭き取り、つまようじでケースの隙間やバンドの付け根から汚れを掻き出す
  4. バンドの汚れをクロスで拭く
  5. つまようじで落ちない汚れは歯ブラシでこすって落とす
  6. 隙間のゴミをブロアーで風を送って吹き飛ばす
  7. リューズを動かす

帰宅後に保管場所へと腕時計を置く前に、毎日行うようにしましょう。

腕時計のパーツ別メンテナンス

毎日のお手入れとは別に、もう少し手間や時間をかけて腕時計メンテナンスを行いたい場合もあるでしょう。

パーツ別にもうひと手間かけた腕時計メンテナンスの方法をご紹介します。

金属素材のバンド

汚れが強い場合は濡らした綿棒で汚れを掻き取りましょう。

専用クリーナーを吹きかけ、数分経過してからクロスで拭くのも効果的です。

また汗をかく夏場などは時計本体からバンドを外し、水洗いするのもよいでしょう。

中性洗剤を水で薄めて使用し、隙間は歯ブラシでこすり洗いをします。

汚れが落ちたら真水ですすぎ、乾いたクロスで水分を拭き取ってください。

革素材のバンド

革素材のバンドにおいて汚れが気になる場合は水で濡らしたタオルを固く絞り、そのタオルを優しく押し当てて汚れを吸収させましょう。

付着した汚れや埃が取り除けたら革ベルト用の消臭スプレーを裏面全体に吹きかけて自然乾燥させるのですが、これだけでは臭いが落ちなかった場合、重曹を用いて消臭するのをおすすめします。

重曹を用いた消臭の手順は次の通りです。

  1. 重曹、重曹を包むための目の細かいハンカチやストッキング、ジッパー付の袋やビニール袋を準備する
  2. 大さじ2~3杯の重曹を布で包み、革ベルトと一緒にビニール袋に入れる
  3. 数日置いておく

重曹を使用しても良いかどうかは、事前にメーカーに確認するか、取扱説明書の記載を読むようにしましょう。

シリコンやウレタンのバンド

汚れや臭いが気になり始めたら中性洗剤を用いて洗うのがおすすめです。

濡らしたくない部分はラップなどを用いて水が入り込まないようにし、中性洗剤は約5倍に薄めて使用しましょう。

柔らかいクロスで丁寧に汚れを落としたら、最後に真水ですすぎ乾燥させます。

リューズ

リューズは細かい埃が中に入ってしまったり、傷がつきやすかったりするため、汚れが目立ち始めたらオーバーホールを考えるようにしましょう。

ケースやガラス

ケースやガラスは水分が中に入るのを防止するため、汚れが目立ったら綿棒を使用して落とすのがおすすめです。

汚れの貯まりやすいバンドへの連結部分などもしっかり掃除すると、きれいな状態を保ちやすくなるでしょう。

これらの手順を用いて行う腕時計のメンテナンスは、外観をきれいに維持するために行うということを覚えておきましょう。

腕時計のオーバーホールについて

腕時計のオーバーホールとは時計を部品単位に分解し、点検・洗浄・調整を行うことです。

腕時計は長く使い続けると潤滑油の劣化や部品の摩耗などにより不具合が生じてくるため、オーバーホールをする必要があるのです。

オーバーホールを行うには専用の道具を必要とし、100個以上もある時計のパーツを分解してお手入れをした後に組み立てるため1ヵ月程度の時間がかかりますが、腕時計の種類によってかかる期間は異なります。

オーバーホールを実施するサイクルは3~4年に1度が推奨されていますが、腕時計の使用頻度が低ければこの数値にこだわる必要はありません。

オーバーホールの基本的な手順やムーブメントの設計図はインターネットを調べると出てくるため、自分で行おうとする人もいますが、腕時計についての高度な知識と技術を必要とすることを考慮すると専門の業者に依頼するのが望ましいでしょう。

腕時計のオーバーホールを行うメリット

腕時計のオーバーホールを定期的に行うメリットは次の3つです。

  • 外から見ただけでは発見できない不具合を見つけて調整できる
  • 不具合を早めに発見できるため修理費用が少なくて済む
  • 腕時計のコンディションを良い状態に戻し寿命を伸ばす

気に入った腕時計を長く愛用したい人にとって、オーバーホールは大きなメリットがあると言えるでしょう。

オーバーホールの作業工程

一般的な腕時計のオーバーホールにおける作業工程は次の通りです。

  1. 作動性と外観のチェック
  2. ムーブメントの分解
  3. 部品の修理・交換
  4. 部品の洗浄
  5. 研磨・組み立て・注油
  6. ケーシング・性能チェック
  7. 動作テスト

作業工程を見渡してみると、外観の清掃をメインとするメンテナンスや、不具合を直す修理との違いがわかるでしょう。

腕時計メンテナンスを大切にするメーカー「和心」

和心は、1964年創業の腕時計メーカー、株式会社和工がお届けする日本製にこだわった腕時計ブランドです。

株式会社和工には、時計の修理に関する名称独占資格である1級時計技能修理士が1名、2級時計技能修理士が1名在籍しているため、自信を持って保証内容と取扱説明書をホームページに掲載しています。

またお気に入りの腕時計を長く使用していただくために、取扱説明書には「ケース・バンド」「金属バンド」「皮革バンド」「点検のおすすめ」の4項目にわたって、メンテナンスの方法解説とオーバーホールのおすすめを掲載しているのです。

機能やデザインと同じようにメンテナンスも大切にしている和心の腕時計を、ぜひ一度試してみませんか。

和心 WACOCORO (wacocoro-watch.com)

まとめ

腕時計は毎日外した後のメンテナンスと、3~4年に1度のオーバーホールを心がければ寿命が伸び、正確な時を刻んでくれることがわかりました。

この記事も参考にして、ぜひお気に入りの腕時計を長く大切に使用していってください。