時計の中でも花時計は庭の彩りとして華やかな存在ですが、時計としてはどのような意味があるのかよく知らない人も多いのではないでしょうか。
この記事では花時計の意味から、有名な花時計の人気観光スポットまで詳しく解説します。
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目次
- ■花時計とは?
- リンネの花時計
- ■一度は足を運びたい人気の花時計スポットとは?
- 神戸市の花時計
- 伊豆市の「世界一の花時計」
- 倉敷駅南口の花時計
- ■花時計のような美しさを持つ腕時計ブランド「和心」
- ■まとめ
■花時計とは?
花時計とは花壇と時計が一体となったもので、公園や広場に作られることが多いでしょう。
花時計の詳細な起源についてはわかっていませんが、近代のヨーロッパで庭園の装飾のために作られたのが始まりだと言われています。
現存する最古の花時計は、イギリス・エジンバラのプリンセスストリート庭園(Princes Street Gardens)に1903年に設置されたものです。
また日本最古の花時計は、1957年4月26日に神戸市役所の新庁舎建設に合わせ庁舎の北側に設置されたものです。
現在日本各地に80個以上の花時計が設置されていることから、日本でも花時計は広く親しまれていると言えます。
花時計には次の2種類があります。
- 花と文字盤に分かれていて花は時計のデザイン、文字盤が時間を計測する役割を果たすもの
- 花の種類によって開花時刻が異なることを利用して時刻を計る時計
2種類とも世界各地に設置されていることから、花時計は庭の意匠としても、実用的な時計としても役立っていると言えるでしょう。
リンネの花時計
実際に時計として普及はしなかったものの、花の種類によって開花時刻が異なることを利用して時刻を計るという発想を初めて用いたのがリンネの花時計です。
リンネの花時計はスウェーデンの博物学者、植物学者、生物学者であり、分類学の父と呼ばれたカール・フォン・リンネが1751年に著書Philosophia Botanicaで考案した、開花時刻や閉花時刻が花によって異なることを利用して時間を計測できる花時計です。
植物が開花するのは体内時計のコントロールによるものですが、リンネは花時計にそれを取り入れることで、植物を用いて時間を計測できることを証明したかったのだと言えるでしょう。
リンネが花時計に用いることができるとして示した植物を、時刻別に表にまとめてみました。
時刻 |
花の動き |
植物の種類 |
6時 |
咲く |
オウゴン草 |
7時 |
咲く |
センジュギク |
8時 |
咲く |
ヤナギタンポポ |
9時 |
咲く |
ノゲシ |
10時 |
しぼむ |
ヤブタビラコ |
11時 |
咲く |
アマゾンユリ |
12時 |
咲く |
トケイソウ |
1時 |
しぼむ |
チャイルディングピンク |
2時 |
しぼむ |
ルリハコベ |
3時 |
しぼむ |
ホークピット |
4時 |
しぼむ |
セイヨウヒルガオ |
5時 |
しぼむ |
シロスイセン |
6時 |
咲く |
オオマツヨイグサ |
リンネの花時計は、実際の時刻との誤差は30分以内で日時計などと比較すると精度の面では劣りますが、生物学専攻の研究者に多大な影響を及ぼしたことでも知られています。
参考:織田一朗「時計の科学」
■一度は足を運びたい人気の花時計スポットとは?
花時計に興味があるなら、一度は足を運んでおきたい人気の花時計スポットを3つご紹介します。
神戸市の花時計
神戸市の花時計は神戸市中央区の東遊園地に設置されている花時計で、1957年4月26日に神戸市役所の新庁舎建設に合わせ、庁舎の北側に設置されたものが移設されました。
第13代神戸市長の宮崎辰雄さんは助役時代にスイス視察へと足を運んだ際、ジュネーヴのイギリス公園で花時計を見たことをきっかけに、1950年代前半に日本初の花時計を作る計画を提案したのです。
この計画は神戸市民や神戸市内の企業から好意的な反応があり、多額の寄付金も神戸市役所に寄せられました。
この寄付金を基に花時計の製作が進められた結果、「市民有志から神戸市への寄贈」という形で花時計を設置することができたのです。
神戸市の花時計は小高い山のような形をしていて電気を動力としており、裏には機械室への入口が設置されています。
また使用される主な花は春はパンジーやヒナギク、夏はコリウスとベゴニア、秋はモヨウビユとコギク、冬はハボタンで、ハトによる食害に遭いにくいデージー、コギクの使用頻度が特に高いのです。
年8回ほど花の植え替え工事をしていることからも、神戸市民がどれだけこの花時計を大切にしているかがわかるでしょう。
日本初の花時計を見てみたい人は、ぜひ神戸へと足を運んでみてください。
伊豆市の「世界一の花時計」
伊豆市土肥海水浴場のすぐ側の松原公園内にある花時計は、1991年6月18日に完成したものですが、1992年3月にギネスブックで世界最大の花時計と認定されました。
気になる花時計の寸法ですが、直径31m、長針12.5m、短針8.8mととても大きく、約5千本もの花々で彩られているのです。
花時計の外周には足つぼ健康歩道が設けられているだけではなく、8時から19時までの定時にはチャイムメロディが流れ、夜間はライトアップされるなどさまざまな工夫で観光スポットとしても大人気です。
夏期のみ有料ですが、駐車場もあるため家族連れで行っても楽しめるでしょう。
花時計近くの山川沿温泉噴湯モニュメントの両脇には、足湯が楽しめる「黄金の湯」があるので、足つぼマッサージで運動した後、足湯でリラックスするというコースもおすすめです。
倉敷駅南口の花時計
倉敷駅南口のロータリー内に設置されている花時計も人気の観光スポットです。
倉敷駅は高架駅のため花時計を側から眺めるだけではなく、上からも見て楽しむことができるのが人気の秘密です。
2020年11月3日〜2021年2月14日まで行われた「くらしき きらめきのみち」イルミネーションにおいては、この花時計が初めてライトアップされました。
JR倉敷駅舎の南壁面も同時にライトアップされたため、とても色鮮やかで美しい世界が広がったのです。
「くらしき きらめきのみち」イルミネーションは2021年11月3日〜2022年2月14日にも開催されたため、倉敷駅南口の花時計を見に行くならライトアップのタイミングで行くのがおすすめです。
「くらしき きらめきのみち」イベントの開催予定は倉敷市のホームページでアナウンスされるため、情報をチェックしてから花時計を見に行きましょう。
■花時計のような美しさを持つ腕時計ブランド「和心」
和心は、1964年創業の腕時計メーカー、株式会社和工がお届けする和にこだわった腕時計ブランドです。
和心の腕時計バンドは「畳」「宇陀印傳」「江戸組紐」「ピアノレザー」「博多織」「東京豚革」の6つの和の素材を用いて、伝統的で雅やかな美しさを追求したデザインを取り入れています。
人が花時計に心を惹かれるのは、そこに時計としての役割だけではなく自然の持つたくましい美しさを見るからですが、和心の腕時計でも時代の流れに打ち消されない強さを持つ伝統素材を用い、その美しさを表現したいと考えています。
美を追求して腕時計を選びたいなら、ぜひ和心の腕時計をお試しください。
和心 WACOCORO (wacocoro-watch.com)
■まとめ
花時計とは花壇と時計が一体となったもので公園や広場に作られますが、美しさと時計としての機能を併せ持つことから、世界中で広く愛されていることがわかりました。
日本にも美しい花時計はたくさんあるので、近くを通りかかった際はぜひ足を運んでみてください。